エネルギー業界の片隅で

サラリーマン的定点観測とアウトプットの練習場

新CEO

今週を振り返る。

 

新CEO

  • Barnard Looney が辞職してから3か月、bp が新CEO発表。暫定CEOであったMurray Acuchincloss氏がアポイントされた。彼はAmoco と合併して以来早々に税務・財務畑で頭角を現し、2010 年Chief of Staff として CEO オフィスに異動する High-flyer で、Tony Hayward や Bob Dudley に仕えた。2020年に CFO に任命されて以降は Bernard Looney との相性も良かったそう。

  • 筆者が気になったのは技術系のバックグラウンドがない初の CEO という点で、もちろん bp の中でも珍しい。     

    • Bernard Looney (BP) Drilling Engineer

    • Bob Dudley (BP) Chemical Engineer

    • Tony Hayward (BP) Geologist

  • オイルメジャーのピボットという点で bp の戦略転換はないものと想像するが、CEO 交代のような格好のタイミングを利用したダイヤルバックは常にあるものと想定するべき。

 

台湾選挙

  • 選挙頼清徳(ウィリアム・ライ)が勝利したが、民進党(DPP)は過半数を獲得するには至らなかった。中台関係は台湾選挙結果ではなく米国の台湾支援次第によって変化するという見方があるため、(台湾問題に慎重な姿勢を取る)バイデン政権の反応が重要。バイデン政権の対中国関係は同盟国や友好国との関係を強化することによって中国への対抗策としているため、台湾支援のような中国との直接的な緊張関係を刺激する施策の発表は考えにくい。特に、11月に大統領選挙を控えているバイデン政権にとっては大きな反発を招くような動きはしないと思われる。

  • 一方で、トランプがアイオワ州で圧勝を収めており、このままいくと3月のスーパーチューズデー共和党候補指名を確実にする可能性が高い。その後、外交や経済まで幅広い課題に対する政策を発表し始めるのではないかと予想されている。その中では中国関係の文脈で台湾への姿勢も示されるものと見られるため、要注視。

 

紅海の状況

  • バイデン大統領が紅海の状況について言及した。
  • EUでもイタリアの外務大臣も紅海からスエズ運河経由でヨーロッパに入る海上輸送ルートを懸念している旨を表明しており、来週には EU Council に提案する姿勢も見せている。

  • ただ、The Economist 誌も含め米国のターゲットはあくまでも Houthi 単体でとどまり、代理戦争的に活用している Yemen やその後ろにいる Iran までは届かないであろうとする見解が主であり、筆者もそうであろうと考えている。

  • Houthi も、「ターゲットは英米イスラエルであり、ロシアや中国の商戦の通行を妨げるものではない」と発言。また、サウジやUAEに対しても攻撃の意図はないと表明している。

  • 船舶市況や原油価格含めたコモディティ価格への影響は要注視。